日々、感じることがあります。
それは、カウンセリングしているうえでも、私自身においても、共通してほぼすべての問題の根っこには

「親密感の恐れ」
があるなと、いうことです。

・寂しがり屋の、一人好き。
・1人きりはいやだけど、誰かといると1人に早くなりたいと思う。
・外の人には愛想よくいられるけど、近い距離の人にはついつい意地を張ってしまう。
・寂しいと思って誰かと一緒にいると、疲れてしまったり、依存が出てきてしまう。時には、攻撃もしてしまう。

「親密になって、傷ついたら、傷つけたら、どうしよう」
そんな気持ちを、ハリネズミのジレンマとも呼ばれたりします。

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ハリネズミのジレンマ



ハリネズミには、するどい針毛がはえています。近づきたいけれど、近づくとこの針毛をさしてしまう、さされてしまうから、近づけないという寓話です。

日常生活において



大好きな人と親密になりたい。人間関係は平穏でいたい。親子で楽しく過ごしたい。仕事仲間とうまくやりながら、成果も出したい。

と、願いながら、

「うまくいかない」
とき、私たちは悩みになります。

ハリネズミのジレンマの具体例



・心の距離、または実際の距離が近い人と、なぜかトラブルになってしまう(公私かかわらず)
・長い期間のお付き合いが苦手(公私関わらず)

・こどものこと大好きなのに、上手に愛せない(親子関係)

・会社でお客さんとはうまくいくのに、社内の人間関係で悩む(仕事)

・距離が遠い人、この人と恋しない方がいいと思う人と、いつも恋をしてしまう(恋愛)
・大好きだと片思いしていたのにもかかわらず、両想いになると「無理」と思ってしまう(恋愛)
・逃げられると追いたくなり、追われると、逃げたくなる。一定の距離が実はずっと保たれている(恋愛)

などです。

恋愛で、顕著に出てくるかたもいらっしゃるかもしれません。
なぜなら、大人になってからの、心も実際の距離も一番近い人というのが、夫婦・恋人だからです。

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なぜ、そうなるの?



・信頼していた人に裏切られたと、思ったことがある。
・助けてもらえなかった。
・一番わかってもらいたい人に、わかってもらえなかった。
・大好きな人に、愛してもらえなかった。

一番近い距離の人との間で傷ついたことが、私たちにとって一番の痛みになります。
大好きだから。
愛していたから。

愛したい私たちが、愛を止めることが一番の痛みであるとしたら。
愛を止めるのが一番辛いのも、愛している人、大好きな人、近い距離での間で癒されもするし、傷つきもまたします。


そんな思いがあると、もう一度、今度は誰かと親密になろうと思ったときに、まったく別の相手であっても、過去の痛みが噴き出すようなのです。
投影といい、全く別の相手であっても、同じような心理的な距離になったときに、過去の傷が痛むような心の作用があるようなのです。

発達段階



私たちの赤ちゃんの頃の一番近い距離の人って、誰でしょう。
お母さんです。
お母さんと赤ちゃんは、ゼロ距離です。おなかのなかにいますから。

でも、私たちはお母さんから分離して、産まれてきます。
授乳して、卒乳を経て、さらに分離・自立します。
24時間一緒にいたのを経て、保育園・幼稚園等に通いだし、分離・自立していきます。

私たちは、分離して自立していくという発達段階・成長過程を経ます。
そうやって、社会に出ていくのです。

そこには痛みが、だれしもあるのです。
時にはたくさん泣きながら、痛みながらも、外の世界に楽しさを見つけて、成長していくのです。

誰かと親密になるときに、この外の世界に向けて自立していった道を、遡る感覚があるといわれています。

自立と依存の痛み・分離の痛みがうずくのは、大小の差はあれ、どなたにでもあるものかもしれません。

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どうしたらいいの?



距離が近づくことで、誰かを傷つけるわけでも、自分を傷つけるわけでもないということを、知ることです。それには、勇気がいります。でも、本当に安全に距離が近づいたとき、あなたの傷も痛みも、癒えていることに気付くことでしょう。

「ハリネズミのジレンマ」
本当は、ハリネズミたちは、仲良しなんです。一緒にくっついて、暖をとったり、仲良ししたり。
あのするどい針毛。
敵意を持った時だけ「ぴんと張って」武器として使います。

私たちの、傷や痛み、怒りといった苦しみ。
距離の近い人だからこそ、今まで自立し、こらえてきた依存がふきだしてしまうこと、時には攻撃してしまうこと、されてしまうこともあるでしょう。
そのことで、あなたはとても傷ついてきたかもしれません。
もしくは、誰かを傷つけた罪悪感で苦しんでいることもあったかもしれません。

でも、あなたが今、
「寂しいけど、一人でいたほうがまだまし。だって、これ以上誰も傷つけないし、自分も傷つかない」
と、痛みをこらえて一人っきりでいたとしたら。

それは、まさしくあなたの優しさからです。

でも、本当のところで、大切に思う人のことを、それもまた傷つけているのかもしれません。
「私じゃ、役に立てなかったよね」
と。

そして、
「自分は、誰かを傷つけるし、傷つけられたくないから、誰とも親密になってはいけない」
と、この世で1人と変わりとなる人がいない大切なあなた自身のことも、ちっぽけに扱い、自分自身をものすごく傷つけているのかもしれません。

みんなと親密になんか、ならなくていいんです。
誰か、一人でも。

あなたが生きていてくれることを、ただ、
「うれしいんだよ」
と、言ってくれる人。

いませんか?

一歩でいいんです。
勇気を出して、近づいてみませんか?

喜んでくれる人は、いませんか?

あなたの暗闇に、光がさしこむ、瞬間かもしれません。


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